よくある質問

1. 加熱調理用と生食用の違いは?

生食用が新鮮で、加熱調理用が古いのではありません。

加熱調理用は、条件付指定海域で採取されたものです。条件付指定海域とは、牡蠣を生食用とする場合には、浄化法および浄化施設の認定がある施設での浄化処理を行うことが条件となる海域です。「加熱調理用」の表示がある牡蠣は、一般的に生食することを想定した処理を行っておりませんので、新鮮なものでも絶対に生食しないで下さい。また、十分に加熱して喫食するようにして下さい。

生食用は、指定される清浄海域で採取されたもの、また、殺菌設備が整った工場できちんと殺菌されたものです。詳しくは、まだむき身にされていない水揚げしたばかりの活きている牡蠣を滅菌海水プールに、概ね20時間入れておきます。牡蠣はたくさんの水を飲んでは吐き出しますから、こうやってお腹のなかまで浄化してキレイにします。


2. 殻付き牡蠣の調理方法は?

殻付きの牡蠣は、調理前にきれいに洗ってください。(⇒かきの洗い方)

一番簡単な調理法は、電子レンジでチンする方法です。(⇒レンジでチンする殻付カキのレシピ)

おすすめの調理法は、土鍋で蒸す方法です。(⇒殻付蒸しカキのレシピ)



3. 殻付き牡蠣をガスコンロで焼くと、殻が飛び散って困ります。

殻付き牡蠣をアルミホイルに包んで、焼いてください。

殻に直接、火があたると飛び散ります。

電子レンジで飛び散る場合は、加熱時間が長すぎる事が原因と思われます。ラップをかけるとレンジの中が汚れずにすみます。

レンジでチンする殻付牡蠣のレシピをご覧下さい。



4. 消費期限が過ぎてしまったのですが、まだ食べられますか?

きちんと冷蔵保管が出来ていた牡蠣であれば、1日程度は大丈夫です。

よーく中まで火が通るよう加熱調理して下さい。その前に、匂いをよく確かめてください。もし腐っていればミルクの腐ったような匂いがします。

殻付き牡蠣は意外と活きています。殻をこじ開けようとしてもしっかり閉じている場合は、まだ活きています。



5. 食べきれません。良い保存方法は?

佃煮にしておくと日持ちします。

よく煮ておいて冷蔵庫で保管して、毎日お酒やご飯のアテにお出しください。3日程度は持ちます。カキの佃煮レシピをご覧下さい。

一番良いのは冷凍保存をお勧めします。かきは洗わないで調理1回分の量ずつ保存袋に入れ冷凍しましょう。解凍後に洗って調理してください。

カキフライ用にパン粉をつけて冷凍しておくのも便利で良い方法です。この場合、凍った状態から揚げることになりますので、火加減を弱火にしてじっくり中まで火が通るように揚げてください。



6. 牡蠣に気持ち悪いぶつぶつがあります。これは何ですか?

これは、牡蠣の卵です。また、加熱するとぶつぶつが出てくる牡蠣もあります。

牡蠣は、海水温度が上がりだした6月頃に卵を持ち始め、7月~8月に産卵します。卵は海中に浮遊し、それを採苗器(ホタテの貝殻)に付着させて養殖します。

通常牡蠣は、9月までには全て産卵を終えます。そして秋が来て水温が20℃以下になると生殖巣は吸収され、今度は自らに栄養をつけながら大きくなっていきます。

しかし、数年前から地球温暖化の影響で海水温が下がりきらず、又、異常気象などの影響等からまだ卵を持ったままの牡蠣が11月頃まで多く見られるようになりました。近年ではシーズンの間中、見られる状況です。

この卵持ち牡蠣は、食しても問題はありません。



7. 牡蠣から白い濁った汁が出ています。腐っていますか?

この現象は、1月後半からの牡蠣にみられます。牡蠣は栄養が乗ってきてより美味しくなっています。水の白いにごりは、この旨みの源であるグリコーゲンという栄養成分が流れ出たものです。グリコーゲンとは、多糖類の一種で、体内エネルギーが不足したとき糖質に変化して血液中の糖度調節に使われる為、疲労回復や体力をつける必要のある人に最適な栄養素です。



8. かきによる腹痛が心配なのですが?

牡蠣による腹痛は、主にノロウイルス(小型球形ウイルス(SRSV))が原因だと考えられています。ノロウイルスは、食品や飲料水を介して感染しますが,人から人への感染も報告されています。感染から発症まで(生のカキ、もしくは完全に火が通っていないカキを食べたあと)24時間~48時間かかります。主な症状は嘔吐と下痢で,特に発症当初に激しい症状を起こします。その他,頭痛,発熱(37~38℃)などかぜとよく似た症状が見られる場合があります。通常は,発症後3日以内に治癒します。

牡蠣などの二枚貝は大量の海水を取り込み、プランクトンなどのエサを体内に残し、出水管から排水していますが、海水中のウイルスも同様のメカニズムで取り込まれ体内で濃縮されます。いろいろな二枚貝でこのようなウイルスの濃縮が起こっていると思われますが、われわれが二枚貝を生で食べるのは、主に冬場の牡蠣に限られます。このため、冬季に牡蠣によるこのウイルスの感染が多いと考えられます。

オオノでは牡蠣による腹痛を防ぐため、毎日当社検査室にて一般細菌、大腸菌、海に存在する菌、腸炎ビブリオの検査をしています。また、ノロウイルスの検査も週1回行い、工場の衛生管理にも徹底して努めています。



9. かきによる腹痛の予防法はありますか?

牡蠣による腹痛は、毎年12月後半から2月に多く発生します。この間、牡蠣は加熱調理することをお勧めします。主な病因とみられるノロウイルス(小型球形ウイルス(SRSV))は、加熱することで死滅します。ただし、中心部が85~90℃で90秒以上の加熱を行えば、感染性はなくなるとされています。カキフライなどは、中心部まで火が通らない可能性がありますので、火加減に注意してよく揚げるようにしましょう。ノロウイルスは熱に弱い特徴を持っていますので、十分な加熱で、安心して美味しい牡蠣をお召し上がり下さい。

⇒厚生労働省のノロウィルスに関するQ&Aページ



10. 腹痛が発症した場合の治療法はありますか?

現在、残念ながらこのウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。

脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を十分に行ってください。脱水症状がひどい場合は、病院へ行き、輸液(点滴)を受けてください。下痢止め薬は症状の回復を遅らせることがあるので、使用しない方が望ましいでしょう。



11. どうしてかきの中にノロウイルスがいるのですか?

牡蠣は大量の海水を飲み込み、餌となるプランクトンを体内に取り込んでいます。このときに、ノロウイルスを含んだ糞便が適切に処理されずに牡蠣の養殖海域に流れ込んだような場合、ノロウイルスも餌と同様に牡蠣の体内に取り込まれ、体内で吸収・濃縮されます。この現象は牡蠣だけでなく、他の二枚貝でも同様に起こります。

なお、ノロウイルスの感染経路はほとんどが経口感染で、次のような感染様式があると考えられています。

患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐物から、人の手などを介して二次感染した場合
家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染する場合食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などが含まれます。)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合特に食中毒では、3.のように食品取扱者を介してウイルスに汚染された食品を原因とする事例が、近年増加傾向にあります。(厚生労働省調べ)